けれど

 私の価値を見失いそうになる
 いや
 そもそも私に価値なんてない

 何でそんなことがしたいのかと聞かれても
 けっきょくバクゼンとしか答えられないけど
 はじめた当初と答えはちがうけど
 たぶん今なら
 還元しようと思ったから、だと答えると思う

 私はいろんな人の手によって生かされている存在だと
 なんだか認識させられて
 ならばどうにかせねばと思ってけっきょく今に至る

 けれど
 私にはそんなことがそもそもつとまるのかどうかでさえアヤシイ

 自分の欲求を満たすためではない仕事を、せねばならないと思うけれど
 それを実施するのにも どうやら才能は必要らしい
 向き不向きもあるらしい

 寄生者と呼ばれながらも
 閉じこもってすごすことができたら
 どんなにか楽だろう

 なのに私は
 そこで「けれど」と
 あとにつづく言葉もないのに呟いてしまう



※ああ、だけど、けれど。しかし……

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