分岐点

 どうも、すっかり勘が鈍ってしまった
 綴りたいことは…ないわけじゃないはずなんだけど

 来た道をふと、ふりかえる
 自分が選んだあの分岐点の
 自分が選ばなかった方の道には何があったんだろう……と
 いまさらながらに思えて仕方がない
 いや、別に実際はそれを望めないこと、あくまで『if』に過ぎないし
 そうでしかありえないこと、なんて百も承知なのだけれど

 ただなんだかもう
 その長かったような短かったような歩いてきた道筋が
 なんだか妙に、懐かしくッて懐かしくッてたまらない
 再び引き返すことも繰り返すこともできはしないわけで
 ただこの先はもう進むしかないことくらいわかっているんだけれども
 ……自分が道を誤ったつもりもそこまではないのだけれども

 これが、分岐点なのかどうかよくわからない
 ただ、わかるのは自分が少し、この道を歩くことに疲れだしてきたという気が
 そんな気がふっとしただけ

 道程のさきには明るいものばかりしか見えてなかったのが
 だんだんと闇色の景色も見えるようになってきて
 しいて言うなら、それにしりごみしてるだけ……

 そう、きちんとわかってる
 これは自分で決めたこと、自分で選んだ道程。
 そして、それを進むしかないってコトも、とにかく歩き出さなきゃ、ってコトも。
 頭ではわかっているし
 ずっと昔のような気さえするあの頃に、この胸に刻み付けた『決意』には変わりはない

 ただ
 それでも自分は
 ここでふっと今までの道を振り返った、振り返ろうとした
 あの時は何の意味もなかった場所で、何の意味もなかったであろう過去を

 たぶん
 ふと振り返ったここが、
 自分の立ってるこの場所が
 過去と未来をつなぐ『現在いま』という名の分岐点



※連詩としてまた発表しなおすかもしれません。全5作ほどで。

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