苦笑

 ああ、やっぱり心地がいい
 そうだ、そうだ、この感触だ
 自分はこの感触が結構好きでたまらないんだ
 この、まだ何もかかれていない場所にひたすらに
 ペンを走らせていく、その感覚が

 ただ、やはり苦笑してしまう
 いや、本来は苦笑しているどころではないのか

 詩をそうやって書き付けていく、そう、たとえば
 今まさに行ってるこの行為も、むろん楽しい
 考え考えつっかえって
 あまりなめらかとはいえないその走行でさえ

 けれど、書き付けるべきは、こんなものばかりではないのだ

 残念ながらわたしにはいまだに課せられたものが大量に残っている
 その白紙の課題をひたすら埋めていくために
 ペンを走らせるその行為自体もまた楽しいものだが

 久方ぶりにペンを持って久方ぶりに書きたいことを思いっきり書いて
 久方ぶりにまあ、どうしようもないほど興奮してるけど
 そもそも ペンを取らなかったのは自分の怠惰だ
 それなのにためこんでしまっているものをいろいろこなして苦笑している
 まったく、わたしはなんと馬鹿で愚かしい人間だろう

 だから、苦笑などしている場合ではないのだ
 本来、こんなものかいてる場合ではないのだ
 そんなことを考えながら、やはりわたしは苦笑してしまうのだ



※書き出してみれば止まらなかったりするのに、なかなかかけない。しかも、レポート提出直前に限って、ネタがわんさか沸いたりするんですよね……

 戻る  トップへ  進む