goal

 それでも、それはひとつのゴール、
 ひとつの、到達点

 分岐点に過ぎないのかもしれないけど、
 でも、確かに道しるべを立てるには値する場所

 私が『ここだ』と想った、
 何一つとして目印になるものなどない場所

 だから……ここは到達点(ゴール)でさえある
 暗闇を歩むような迷路のようでさえある
 けれど路を拓いてゆく作業でもあるそのなかの

 ゴールだと気づけないのは
 その先にあるのがまた道だからというだけだ
 ひたすらに、自分の足で歩くしかない、その迷路のようでさえある道

 ならばだからこそ
 線引きなど自分なりに行ってしまえばいいのだ
 それはただの線引きで、後悔なんかとは無関係だ

 ただ――
 ただ、それでも自分は目指している
 『それ』を、そこにあるものを、確かに目指して進んでいる
 ……そのために、歩いてはいるつもりだ

 自分が念じさえすれば
 己自身にそう(しゅ)をかければ
 どこでさえもがゴールになれるとわかっていながら
 そのあまりに特別で特殊な場所を目指して進んでいる

 それが到達点なのか、ただの道標に過ぎないのか
 それは、自分にもわからない

 ただ、ひとつひとつ踏みしめてきたことが重要だ、と
 それだけは、なんとなくわかる

 それが、この道の名がそうだというなら
 目指して歩いているのは『死』において他ならないわけだから



※でも、また似たようなの書きそうだなぁ……。ちなみに後2作ははるか昔に発表した作品……。

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