それでも、つづりたいことがたくさんある
私などという存在はちっぽけで
私は私という存在がきらいで
私と同じものがきらいで
それが蠢いている世の中がきらいで
幾度、消えてしまいたいと願ったことか知れない
自分の存在そのものが、すべて消えてしまえばいいと
はじめから
この名を、この顔を、この声を持つ自分など
もともと、存在してなかったようにさえ消えてしまって
人々の記憶の中からからさえ消えてしまって
それが無理ならせめて
わたしとおなじ『うごめくもの』を
すべて巻き込んで、ともに消えてしまえと
幾度、願ったことか知れない
それだというのになお
綴りたいことがいろいろとある
それは私が貪欲な証拠
それは私が軽薄な証拠
それは私が愚鈍な証拠
それでも、綴りたいことがまだ残っている
それは私がまだ消えてない証拠
それはまだ世界が蠢いていることの証拠
※消滅願望強いです。消去願望といってもいいかな。存在そのものを無に帰して消え去る、みたいな。
まあ、それなのに……、みたいな詩ですか。