ruins

 ああそういえば、とふと思い出す
 世紀のかわりめは
 時代のかわりめは
 もうとっくに過ぎ去ってたんだ

 思い出してみると
 馬鹿馬鹿しくて
 それでいて懐かしかった終末予言
 それでも自分の中の何かはかきたてられていた気もする
 想像だけの光景にさり下がってしまったあの廃墟
 その中で生きる力をきちんと持って生活しているその中の人々
 それとは逆に均質化された一部の都市と発展した機械文明
 そんな対極化された世界
 結局妄想の中の世界

 ふと現実を見てみれば
 そんなものは当然ない
 眠っていた何かを呼び覚ましてはくれないかと
 かすかに期待して居た
 その廃墟という名のSF
 崩壊という名の未来像
 全く、何て馬鹿馬鹿しい

 変化はどうしようもないくらい少しづつで
 それでいてすべてを振り返ってみれば劇的で
 まあ確かに生活面では便利になった
 まあ確かに物理的距離の壁は感じづらくなった
 だけど
 日々の生活なんてますます窮屈で
 それなのに退屈で
 やたらとそれは希薄なもので
 当然の如くあの頃思い描いていた未来に
 いま自分が立ってるわけもなくて

 結局すべてが日常に埋もれていってる
 ああ、要するに
 それが『大人になる』ってことなのか?



※大丈夫、今回は遊びは(とりあえず)ありませんよ?
 どうも黄色のみてたSFは20世紀も末期の末期に差し掛かってからのものが多いので、機械の街でもなければバイオでもなければ、SF=未来像=廃墟ってイメージがあるんですよ。
 まあ、エ○ァやサイレントメ○ウスや、その他もろもろをSFというのならね……(つまり要はそんな高尚な物はみていないという訳で……;)

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