不思議な事かも知れないけれど
自分はもっともっと不器用な言葉を呟きたい
器用な洗練された言葉より
オブラートにくるまった社交辞令のような言葉より
技法を凝らしただけの言葉より
あるいは教科書に載ってしまうような上手すぎる詩より
もっと不器用で
そしてもしかしたら不器量であるかもしれない言葉を
呟いてみてみたい
不器用な言葉は
不器用なかわりに率直で
こじ開けるでもなく溶かすでもなく
まして消し去ってしまうわけもなく
あまり見た目に美しくなく矢張り不器用に
心の扉を、その鍵を
なぜか無効にしてしまう
詩に呟く言葉など
不器用なくらいでちょうどいい
上手すぎる詩は
あまりに簡単に私の中に入ってきすぎて
私の心はより頑なになるだけだ
その詩の世界に浸りすぎて
危うく己の言葉さえ見失いそうになるのが関の山だ
ああ、やっぱり
詩に呟く言葉など
不器用なくらいがちょうどいい
※ってそんな詩かいといて、すでに中原中也とかに影響ウケ気味……