痛み

 そそっかしい自分は家のあちこちに
 体じゅうのあちこちの箇所をぶつけて痛い思いをしてしまう
 けれど刹那おとずれる激痛は
 自分が今生きている証拠 今この地に自分が存在する証
 ああ、そう思ってしまえば 痛みとはなんと快いものなのだろう
 痛みとはなんという救いなのだろう
 この痛みは自分が生きている証
 この苦しみも私が生きている証
 だとしたら、どうして逃げる事などできるだろう?

 ああ、悔しい
 せめてもう少し早くそのことに気付けていたら
 せめてこれが死ぬほどの痛みでなければ
 せめてこれが、死出の旅に伴う苦しみでなければ
 いま自分は生きていると、もっと早くに実感できていたら
 その快さをまた味わう事もできたろうに

 そう、生きるということは、死ぬ事以上に苦しみを伴う物なもの



※あれ……? 変だな、実体験(足の指ベッドの角にぶつけました)を上手く調理しようとした筈なのに、また暗い奴が……

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