日記帳(につきちやう)

 こんな風に真つ白なにつきちやうを見る度に
 私は怖くて怖くて不安なのでございます

 けふいちにちの出来事を
 残りの一年がまだ穢れないまま残されているのに
 恐怖さえ覚えてしまうのでございます

 けふもまた、血をひとかたまり吐きました――

 私は、いつまでこのにつきをつけられ続けるのでせうか

 私はこんな風に白いペヱヂののこされたにつきちやうをみるのが
 怖くて怖くてたまらないのであります

 けれども私は
 この儚き浮世にまだとどまつてしまつてゐるのでございます
 ぶざまな生きはぢをさらしつづけてしまつてゐるのであります
 きれひに死のふと思ふのに
 四角な外の景色はありありと姿をかへ
 私にそれをゆるしてくれないのであります

 あゝ、あの最後の一葉が落ちた日に
 私の命も燃え尽きてしまえばどんなにか楽でせう
 けれどもお天の上の父さま母さまがそれを許してくださらなひのです

 そんなことを思ひながら
 私は恐怖をまぎらはすため
 恐怖にふるえながらまたにつきちやうをめくるのです――



※スタイルシートで縦書きに……とか思ったのですが、あまりに表示がアレなんであきらめました。なんだか無性に、旧仮名使いがしてみたくなったのです。

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