あなたのためにこの足を切り落としたの
ほら、私はどこにも逃げられないよ?
あなたの元を離れたりしないよ?
あなたのためにこの眼をえぐり出したの
ほら、私はあなたの顔色を窺ったりしないよ?
あなたの顔の造形だって、気にしたりしないよ?
あなたのためにこの耳を開いて鼓膜を破ったの
ほら、私はあなたの声色を窺ったりしないよ?
「愛してるよ」って囁くあなたの声は聴こえなくなってしまったけど
それは私の心の中で永遠に響きつづけてるから平気なの
あなたのために毒を飲んだの
命までは奪えなかったけれど、よかった、この喉は焼け爛れてしまった
私の、自分にさえ聞こえないこの言葉は
もしかしたらあなたを傷付けてしまうかもしれないから
あなたは繊細な、とても優しい人だから
あなたのためにこの指を削ぎ落としてしまおう
この手は私の目になってしまい、耳になってしまい、
声にさえなってしまった
触れば物の形がわかる
口に中に手を入れれば話してる事もわかる
やさしい人ね、指の形が文字の代わりになる事さえ教えてくれて
また同じことの繰り返し
でもお願い
私はあなたのためにこれだけ尽くしたの
それならあなたも
この体を抱いて
私を守って
※狂女万歳。(狂った女は書きやすいらしい)