夏の青に浮かぶ白は。
高く透明で、何故か何処か儚げで。
冬を覆い尽す白とは、矢張り全然別なもので。
けれども、この氷の様に凍てついたココロは。
こんなにも自己主張の激しい陽光の元ですら。
決して、溶け出すことなど無く。
朝が永遠に来なければ。
夜が終る事がなければ。
けれど、それも無意味な願い。
叶う事など無い、馬鹿な祈り。
ひっそりと。
彼のワイシャツの裾を涙に濡らす。
馨る石鹸の匂いは。
何処か、懐かしく。
そして同時に……何故か、切なく。
止めどなく溢れ出す液体を止める術を、彼女は知らなくて。
自分に残されたものは、何も無くて。
やがて、残酷な夏は終り。
哀しい秋がやって来る。
これが冬だったのなら。
全てを凍てつかせるあの季節だったのなら。
此の思いも、流す涙も。
きっと、自然なものだったのだろう。
※二月のキーワード、『白』・『氷(凍る?)』・『石鹸』……いろいろ変わっていたので良く覚えてないんですが。キーワードを見た瞬間に夏の詩を書こうと思った天邪鬼で変わり者な黄色です。