マトリョシカ

 どうだったかな
 「なのさ」なんてしゃれた語り掛け方はさほどしてないと思う
 体言どめもそんなには使ってない
 ああ
 それくらいは使うかも、けれどそれは簡単というより落胆のための言葉に近い

 何のために――
 といわれると、何のためでもなくて
 しいて言うなら、自分のためであるんだろうけど
 いっそそれは、いってしまえば工程の中で出る排泄物のようなもので
 だからこそ見せびらかすにはためらわれるのであって

 特別な情景なんてこれっぽっちも思い浮かべてなどないし
 追求してることやその中身は
 書くことだの自分自身のココロの中についてだの
 そんな不毛なことばかりだから

 いってしまえば
 結局私の詩なんて、飾り気など何もないのに
 いつまでたっても中身など入っていない
 できそこないの入れ子細工のようなもの



※あれ、これ一体何に影響されて書いた詩だろ……

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