こんなときに限って連ねるべき言葉が見当たらない
私は何を言いたくて 何を言うべきで
何をしたくて するべきで
そういったものは、結局またこの霧の中に隠れてしまった
冷え切った手を無理やりに動かしても
枕もとの聖書をめくってみても
あるいはただひたすらに数を数えようとも
明かりを消したとたんこの睡魔は消えうせそうなほど弱々しくて
そんなもの忘れ去って布団をかぶってしまおうなどとも思えなくて
それでも
それでも、不意にペンを取りたくなってしまったのだから仕方ない
開き直って気づいてみれば
どうやら、霧は晴れたのか……?
※眠れない夜、不意にペンを取ってみたくなることがあるのです。