多忙

 ああ、この鈍感な自分が憎い
 何かは見つけているはずだろうに
 何かは思っているはずだろうに
 だのに
 なにか
 何かが、満ち足りていないような気がして
 なにか
 何かが、ひとつ多すぎるような気がして
 感情が、感覚の針が
 重鈍に錆び付いてしまっていて
 ペンを持つほど、言葉がとどまってしまう

 周りの景色の微妙な違いにすら
 心を躍らせられていた自分が懐かしい
 あの頃に見えていたものがなつかしい
 あの頃の、そんな物に気付けた……
 じぶんの、心が。

 ああそう
 何のことはない
 いま私は
 「忙しい」
 だけのこと、
 そんな大切な事を
 「忘れて」
 いただけのこと

 「心」を「亡」くして
 詩なんかかけるはずもなかっただけのこと



※……ホント忙しいと書けないんですよ、詩なんて思ったようには。……まあ言い訳ですけど。

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