相対的剥奪

 ほらそうやって
 上ばっかり向いているから
 結局いつまでたったって満足する事なんてできないのに

 自分の足元よく見てごらん?
 自分が足をつけているのはこの大地
 汚くてゴミゴミしていて
 それでいてだからこそ安心感のあるこの場所

 ほら、そこが帰るべき場所
 見上げつづけていた空の上なんかでなく
 こここそが自分のいる場所

 どうして、ソレで満足してやれない?

 空が終るわけもないんだから
 上ばっかり見つづけたってキリが無い
 最後には首が疲れて折れるか
 足元の石につまづいてしまうか
 そんな事しか待ってないよ?

 凄く簡単なコト
 上でなくて前をみる
 ホントはただそれだけでいいのにね

 あとは時折足元を見て
 自分の方が上にいるって、自分を騙してしまえばいいし
 それでもまだあきらめられないなら
 やっぱり天を仰いでは
 そこに飛べる機会は無いものかと無駄骨を折ってみればいい

 なんにせよ
 今の自分を受け止めて上げなければ
 結局どっちにだっていけないよ?



※アレですか、社会学とかやってる方には『準拠集団(reference group)』と『相対的剥奪(relative deprivation)』なんて言葉は……おなじみですか? 思いっきりかみ砕いた喩えで言えば、立教や明治の学生さんが自分は早慶目指してたとなればソレには満足できない訳で、つまり自分より上のほうに比較基準を置いているもんだから、現状の自分に対して満足感は得られず……と言ったような。人間ってのはときどき馬鹿ですね。自分も人間なわけですけど。

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