(とき)の狭間で

 涙はもう枯れ果てた
 此処にはもう何も無い
 何も信じられない…
 『優しさ』だとか『愛』だとか…
 思い出すことすら出来ない言葉は使わないで欲しい…
 生き残った命たちが一滴だけの水を欲している
 飛び出すことは出来るのに、自分はまだ此処に居る。
 黒い翼は、まだ折れてないのに。
 風が砂を織ってゆく
 砂塵の中に浮かぶのは辺りに満ちる絶望か
 希望という名の一縷の望みか…
 壊れた時計が今もなお
 忘れ形見のように狂った鐘を鳴らす
 時間なんて、此処には無いのに…
 勇気が欲しい。唯一つでいい。『飛び立つ』勇気が欲しいだけ…
 天使が地へと堕ちて行く
 世界が、沈んでゆく……悲愴と謂う名の海の底に。



※むかーし書いてた小説のキャラのイメージポエム。「本当に『時間のない世界』である『刻の狭間』で、主人公が絶望感を抱いている……」といったような感じの物です。

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