ええはい、どうということはないのですが
私を見つけた私は
こわいぐらいにみちたりていて
だからといって先に進もうと 上を目指そうと
そう言った意識が消えうせてしまった訳でもなく
ええそう、
険しい道である事ぐらい重々承知の上なのに
ふしぎと足どりが軽いのです
たぶんそれは
目指していたものがはっきりと この目に見えてきたおかげだと思うのですが
――いやですね、それは決して掴み取れるものであるとは限らないのに
それでもそれをこの手に掴もうとして
私は進んでしまう!
今まで見えているのに見えていなかった
周りの景色も今ははっきりと見えるようになって
それを楽しもうとさえしてしまう!
道ばたに転がっている石でさえもが
私の心をかきたててしまう! 私は想像の世界に浸ってしまう!
勿論
この軽やかでしかたない足どりも
日々移りかわって私の心をかきたてる周りの景色の美しさも
実は私が誰かを蹴落とした上にしか成り立っていない事くらい
わかっているのだけれども
それでも
私の心は不思議とときめいてしまう
未来というものに対して期待を抱いてしまう
見え始めた道は 今までよりずっと険しくて
そして周りの景色が美しく、だけど平坦でなどなくて
とても進みがいのありそうな道なのだから
※『決意』の先にあるものは――