go against...

 足取りが軽いわけなんてあるはずもない
 頭が重い
 昨夜は酒を呷りすぎた

 柔らかな日差し
 そよ風にゆれる木々の緑
 自分達からほんの少し離れた
 他人という名の別な空間では
 なんともいえない
 この場所らしい、のどかな時間が流れている

 ふと昔のことを思い出す
 好奇心に目を輝かせていた
 知ることこそが楽しかった子供のころ
 何に対しても無邪気だったあのころ
 知ることが恐ろしくなんかなかったあのころ

 この足取りが軽いわけなんかあるはずもない
 いまはどこか
 この冷静な自分が憎い

 まず自分が受け入れなければ
 相手にも受け入れてはもらえないことを
 わかってしまうから
 歩き出さなきゃ始まらないことを
 わかってしまっているから

 いまは
 ただ
 ひたすらに

 それから先は
 そのときでもいい
 だから

 いまはただひたすらに
 歩くしかない



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