――彼女はいったい、光の無い世界からどうやって飛び立ったんだろう

 視覚から得る情報はずいぶん多いっていうから、いざ失えば、残った五感、いや四感をどんなに活用したところでたかが知れそうなものなのに。
 風を読むんだ、なんていかにも『魔女』らしい洒落たことを言ってみたりしてたけれど、どこまでが本気だったんだろう。
 そういったことをさらりといってみたり、その美しい声で美しい調べを奏でてみたり。
 そうだ、それに彼女の師という人物。
 人から傅かれることも、実はあったんじゃないだろうか。……それがたとえどんな偽りの上に成り立っていたとしても。
 魔法がどんなものかは僕にもよくわからないけれど
 戦う彼女の姿は――美しかった、戦乙女のごとく。
 太陽に、彼女はよく似ていると思う
 光を失った存在だというのに
 手を伸ばしても到底届かないところにあって
 近づきすぎれば咎人を焼き払う
 直視しすぎれば目を焼かれる
 それでも彼女とともに歩きたい
 それがどんな困難なことだったとしても
 ……彼女は、ボクをボクという檻から解放してくれる存在なんだ
 ボクというちっぽけな
 人間の真の価値
 が彼女によって決まるんだ

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