056.心の飛躍
――しかしそれを、証明することはできない
この世には、『魔法』と呼ばれる技術が確かに存在している。
『属性』を持たなければ扱えないというが、逆に言えば属性さえ持っていれば誰にでも扱いうる技術。
確かに存在するのに、学問としての体系は恐ろしいほど整っていない、曖昧なもの。
未だに迷信の様にとらえてそれと混同する地域もあると聞く。
おそらく言葉で説明できないから、世界から取り残されるのだろう。
しかしそれは恐怖ではない。
それを操る瞬間、わたしは火になる、風になる。
大気とさえ混同して、境目なく混じり合う。
わたしは、わたしの心は
知識を越えた高みに到達する
その
心の飛躍
を
伝えるすべを、わたしは持たない