深い意味などないけれど。
 くちずさむように、
 考えてしまうときがある。
 えてして人とは、愚かなるもの。
 なのに、
 くやしいくらい、その人に感謝している人がいる。
 て、いってもボクは彼女のことをそれでもよくはしらないんだろう。
 もうすこしだけ……この旅をもっと続けられたらと思う、彼女といろんな会話ができたらと思う。
 いちどでいいから、彼女の故郷に行ってその師と語らってみたいという思いさえある。
 いいことがそこに待ってるかといえば、ボクのことをかんがみるにその答えは否な気がするけど。

 それでも、
 うそをついてしまっているのかなぁ。自分の、気持ちとかいうものにたいして。

 気持ちしだいなのかな、うん、やっぱり。
 付いて回るこの思考を振り落とすすべを、
 かんがえてみるけどわからない。
 さんざん、悩んでみたけれど。
 れっきとした、事実なんだよね。きっと。ボクの……君に対するこの思いは。
 たんじゅんな、とても単純なこと。純粋な感謝の気持ち。

 ――『ありがとう』と、とにかくそういいたい。

 それでもボクらは、
 誰かのために生きている
 やっと気づけた。ありがとう。そのことに、気づかせてくれた人。

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