――悲しい、生きものだ。

 ボクらみたいな人間が、この世界に存在してしまっていることの意味はなんだろう。
 それとも意味などないのだろうか。
 何故そんな提案をしたのだろうと思ってみる。結局ただの思い付きだったのかもしれないと気づく。
 それでも、自分が心の奥底で望んでいたものだったからなのかもしれない、とも。
 過去を思い出す。そして、これから起こり得るかもしれない未来を。
 独りぼっち。
 そう、ボクはずっとひとりでいた。何も感じないと思っていた。
 けれど、どうだろう?
 もし彼女と別れて、ふたたび独りぼっちに戻ってしまうとしたら?
 こんどは埋めようもないほど、ボクの心にうがたれた穴は大きくなりそうだ。
 ボクはずっとひとりでやってきた。ひとりだけでも生きていける。そう思っていた。
 そう……思い込んでいた。
 結局、人間はひとりじゃ生きられない。
 なのに、そのつながりはとても希薄なものらしい。
 家族だろうと、恋人だろうと、友人だろうと、それは変わらない。
 誰かがいなくちゃ生きて気ないのに、ちょっとしたきっかけであっという間に壊れてしまう。
 人間っていうものはとても
 孤独で社会的
 な存在のようだ

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