027.孤独で社会的
――悲しい、生きものだ。
ボクらみたいな人間が、この世界に存在してしまっていることの意味はなんだろう。
それとも意味などないのだろうか。
何故そんな提案をしたのだろうと思ってみる。結局ただの思い付きだったのかもしれないと気づく。
それでも、自分が心の奥底で望んでいたものだったからなのかもしれない、とも。
過去を思い出す。そして、これから起こり得るかもしれない未来を。
独りぼっち。
そう、ボクはずっとひとりでいた。何も感じないと思っていた。
けれど、どうだろう?
もし彼女と別れて、ふたたび独りぼっちに戻ってしまうとしたら?
こんどは埋めようもないほど、ボクの心にうがたれた穴は大きくなりそうだ。
ボクはずっとひとりでやってきた。ひとりだけでも生きていける。そう思っていた。
そう……思い込んでいた。
結局、人間はひとりじゃ生きられない。
なのに、そのつながりはとても希薄なものらしい。
家族だろうと、恋人だろうと、友人だろうと、それは変わらない。
誰かがいなくちゃ生きて気ないのに、ちょっとしたきっかけであっという間に壊れてしまう。
人間っていうものはとても
孤独で社会的
な存在のようだ