――とても、悔しい。

 そう、名づけた。いや、現実にそこが理想郷であるかなんて、正直な話どうでもいい。
 結局のところボクは、あらがっていたかったわけだし、そしてたぶん……
 逃げ出したかった。
 いろいろなものごとから。さまざまな制約から。
 だから、名づけた。それらすべてから逃げ出せる場所の仮称を。
 けれど、理想郷なんて、"UTOPIA"なんて、実のところはそんなものあるかどうかわからないし、さほど信じてもいない。
 ただ……不意に思う。
 ずっと、苦しみぬいてきたことから、ボクは解放されつつあるような気がする。
 とてもとても、純粋な感謝に近い気持ち。それがボクの中にわきだして、だんだんボクの中を埋めていっている。
 旅を始めてから……いや、たぶん、君とであってから。
 けれど、まだボクは開放されてない。それと対極にある、ボク自身のいやしいいろんな気持ちから。
 だからボクはボクも含めた人間といういやしい生き物の
 愚かさの生贄
 としての生活から開放される、それだけを望んでる。

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