わりきって行動することができれば、と思う。
 ただ、それがすごく難しくて困っている。
 しかも、それはわたし自身の信念と行動に左右されるからなおさらだ。
 はじめから、全部がきちんとできるとは思わないけれど――
 無から有が生み出せないのと同じこと。
 ざんねんに思う……それに近いかもしれない。
 まったく意味のない行為だ、などとは思わないけれど。
 なにごとにも制約のある世界の規則と一緒なんだろう。
 だめなモノはダメ。それくらい、しっかりわかっている。わかっているけど……
 ちっとも、わかったようには行動できていない。今だって、あがいている、どうしようもなくあがいている。
 よんでいる声。わたしの内側から、わたしを。それに気づかないフリをしている。
 うそを並べ立てたって無駄なこと。それくらいはわかっている。
 にどとは、その時間が戻らないことくらいはわかっているのに、わたしが歩いた、あなたと歩いたその、
 過ごしてきたこの時間にも……まだ、意味を見出しきれていない。
 ぎりぎりのところにいる、いや、下手をすればそのボーダーラインの下にいるのかも。だから戒めを、
 なんどもなんども、くりかえして、呪文のように、
 いい聞かせる。

 ――わたしはただの、メクラに過ぎない。

 初めから、わたしは積極的に見ていなどなかった。そう、光を失う以前から、わたしは根本的な意味で光を見ていなかった。
 わたしは、それを作って、それに閉じこもっていた。自分自身の殻の中という
 奇跡のような、小さな世界
 そんなものに。

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