018.奇跡のような、小さな世界
わりきって行動することができれば、と思う。
ただ、それがすごく難しくて困っている。
しかも、それはわたし自身の信念と行動に左右されるからなおさらだ。
はじめから、全部がきちんとできるとは思わないけれど――
無から有が生み出せないのと同じこと。
ざんねんに思う……それに近いかもしれない。
まったく意味のない行為だ、などとは思わないけれど。
なにごとにも制約のある世界の規則と一緒なんだろう。
だめなモノはダメ。それくらい、しっかりわかっている。わかっているけど……
ちっとも、わかったようには行動できていない。今だって、あがいている、どうしようもなくあがいている。
よんでいる声。わたしの内側から、わたしを。それに気づかないフリをしている。
うそを並べ立てたって無駄なこと。それくらいはわかっている。
にどとは、その時間が戻らないことくらいはわかっているのに、わたしが歩いた、あなたと歩いたその、
過ごしてきたこの時間にも……まだ、意味を見出しきれていない。
ぎりぎりのところにいる、いや、下手をすればそのボーダーラインの下にいるのかも。だから戒めを、
なんどもなんども、くりかえして、呪文のように、
いい聞かせる。
――わたしはただの、メクラに過ぎない。
初めから、わたしは積極的に見ていなどなかった。そう、光を失う以前から、わたしは根本的な意味で光を見ていなかった。
わたしは、それを作って、それに閉じこもっていた。自分自身の殻の中という
奇跡のような、小さな世界
そんなものに。