――それでも何故か、目指してしまっている

 自分たちのもってしまった能力と、欠いてしまった能力と。
 補えるものをもとうとあらがって。
 捨てられないのなら、眼をそむけることであらがって。
 それでも、たぶんわたしたちは……
 生きるのに向いてない。
 だってそれでも、
 わたしは、メクラとしてのわたしのいまの生にも。
 そして、かつての『門番』として生きた生にも。
 いまだその意味を見出せてはいない……
 ねえ、ほんとうに意味はあると思う?
 そんな場所を目指すことに。
 わたしたちのこの人生とこの旅路に。

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