017.生きるのに向いていない
――それでも何故か、目指してしまっている
自分たちのもってしまった能力と、欠いてしまった能力と。
補えるものをもとうとあらがって。
捨てられないのなら、眼をそむけることであらがって。
それでも、たぶんわたしたちは……
生きるのに向いてない。
だってそれでも、
わたしは、メクラとしてのわたしのいまの生にも。
そして、かつての『門番』として生きた生にも。
いまだその意味を見出せてはいない……
ねえ、ほんとうに意味はあると思う?
そんな場所を目指すことに。
わたしたちのこの人生とこの旅路に。