――ただ、そう思ってしまったから。

 それがどんな場所かは知らない。
 便宜上つけただけの名と言えばそのとおりだし、
 あるかどうかさえもわからない。
 そこに何があって、どうしてそれを目指しているんだろう。
 けれどたぶんわたしたちはそこを目指していて、そのために今はこんな旅をしていて。
 だけど、わたしはそこにさえ希望を見出してなどはいない。
 たしかに、"UTOPIA"なんてものを探しているのかもしれないけど、
 そこでさえわたしは望んでいない。
 永遠の幸せなんて
 そんなもの、与えられはしないとわかっているから。

 けれどただ、自分で切り開いた道の先にあった、
 あなたとともに旅を続けるという今のこの幸せを
 すこしだけ、続けさせてください。

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