013.永遠の幸せなんて
――ただ、そう思ってしまったから。
それがどんな場所かは知らない。
便宜上つけただけの名と言えばそのとおりだし、
あるかどうかさえもわからない。
そこに何があって、どうしてそれを目指しているんだろう。
けれどたぶんわたしたちはそこを目指していて、そのために今はこんな旅をしていて。
だけど、わたしはそこにさえ希望を見出してなどはいない。
たしかに、"UTOPIA"なんてものを探しているのかもしれないけど、
そこでさえわたしは望んでいない。
永遠の幸せなんて
そんなもの、与えられはしないとわかっているから。
けれどただ、自分で切り開いた道の先にあった、
あなたとともに旅を続けるという今のこの幸せを
すこしだけ、続けさせてください。