誰かがおいていったカレンダーには
月をめくればハナマルの印がついていて
気づいてみればそれは私の誕生日
だったりすることが、こんなにもうれしい
宝石箱をかねたオルゴールは
ホコリをかぶった小窓の中で
人形たちはすっかりダンスを忘れてしまっている
そんなことが、無性にさびしい
入れ替わりの激しい本棚に
乱雑すぎて手をつける気のしなかったその奥に
落ちていたファイルの中身は
昔もらった大切な手紙
が入っていたりすることが何故だか心苦しい
なのに、どうしようもなくあたたかい
押入れの奥底にあるのはたぶん昔お気に入りだったオモチャ
机のひきだしの中にはじまんだった30色のクーピー
夢中になって文字をつづった原稿用紙たちの大群は
一体何処に埋もれていってしまったのだろう?
アルバムの写真はこれでほんとに全部だったっけ?
いろんなものにかこまれて
いろんな人たちとのかかわりを刻んで
今、ここに自分があることを
ふっと思い知らされる
※なんだか、すこし、くすぐったいようなそれでいて苦しいような気持ち。