脱却

 少し、落ち着き始めた。
 そうだ。
 うん、カタチにしないことには何も始まらない

 あとで見返して
 『どうしようもない駄作だ』
 って後悔してしまうようなモノでも、作り出さないことには始まらない

 私の物語は、私で紡いでゆくしかない

 さぁ、世界を織り上げよう
 人物の緯糸(よこいと)、心情の経糸(たていと)
 布の長さは……つまり時間?
 織りあがった布は――

 ペンを走らせろ
 キィを打て

 そしてそこには何がある?

 初めから知っていたし、わかってもいたこと。
 そこにいるのは
 "自分自身"。

 ならばさぁ
 ペンを走らせろ
 キィを打て

 物語という名のその布を織り上げろ
 始まりも終わりもないその布を自分自身の手でつくれ



※もっと正確に言うならスランプからの脱却。連詩のほうにも入ってますが、コレはコレで独立した作品としてもおもしろいかと。

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