teddy

 何故か、郷愁のようなものを感じてしまう
 子どものころ大事にしていたぬいぐるみの中に
 さて、この子の仲間は入っていたか否か
 覚えてないけど
 愛らしさと懐かしさを嫌味なく私に振りまいてる

 どういうわけだか寝巻きの柄はほとんどこれだし
 このシャープ・ペンシルがまさしくそう
 ちょっと子どもっポイのはイナメナイけど
 まあ嫌いじゃないし
 ちょっとは女の子の部屋らしくはなるだろう

 そう、そういえば、こんなにも現実とデフォルメされた姿との
 ギャップの激しい動物も珍しい
 それでいて、愛される
 子どもに好かれる存在も

 いや?
 ああ、そうだ、鋭い牙だって爪だって
 つぶらな眼や大きな肉球やふかふかの毛皮や
 そんなものとセットになっていればなかなかに愛らしい

 まあ、そんなこんなでどういうわけか
 つぶらな瞳のそのクマの絵は
 そこかしこ、部屋の気づかない目立たない場所を占拠して
 さりげなく
 床につこうとした私の目に入る



 戻る  トップへ  進む